内科治療が奏功した猫消化管好酸球性硬化性線維増殖症の1症例
田川道人,上村暁子,柳川将志,渡邉謙一,峰重隆幸,古林与志安
4歳2か月齢の雑種猫、避妊雌が食欲不振と嘔吐を主訴に近医を受診した。検査の結果腹腔内腫瘤を認め、その精査を希望し帯広畜産大学動物医療センターを紹介受診した。血液検査では好酸球の増加、炎症マーカーの上昇、画像検査では上腹部に4cm大の腹腔内腫瘤を認め、組織生検により猫消化管好酸球性硬化性線維増殖症と診断された。病変部からはPseudomonas aeruginosaが検出され、細菌感受性試験をもとにエンロフロキサシンとプレドニゾロンを投与したところ腹腔内腫瘤は急速に退縮し、治療開始か10カ月経過したが再発はみられていない。
北海道獣医師会雑誌
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