重度の腹腔内出血を呈した好中球性胆管肝炎の猫の1症例
田川道人,熊川実旺,柳川将志,轉馬創,渡邉謙一,古林与志安,宮原和郎
3歳4カ月齢の雑種猫、去勢雄が食欲不振と活動性低下を主訴に近医を受診した。重度の貧血と腹腔内出血を認め、輸血により改善がみられた。その後精査を希望して、帯広畜産大学動物医療センターを紹介受診した。貧血、肝臓由来酵素の上昇、凝固異常、肝臓の腫大、腹腔内出血等を認め、輸血を実施した。一旦は改善したものの、来院10日後に腹腔内出血により斃死した。病理解剖では血様腹水が重度に貯留し、肝臓表面に多量の血餅付着がみられた。本症例は病理組織学的に好中球性胆管肝炎と診断された。
北海道獣医師会雑誌
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