高等学校理科授業における放射線教育プログラムの実践
山岡武邦,岳野公人,高橋信幸,松本伸示
学校現場のみならず地域社会においても,今まで以上にエネルギー教育の重要性は増してきている.本稿では,理科授業で放射線教育をどのように扱うのか,という観点で放射線教育プログラムの実践を行った.現実問題として長時間にわたる野外調査や施設見学等,理科授業の時間内で実践することは,時間的制約等から不可能な場合が多い.この点については少人数の希望者で実践を行うとともに,その成果を理科授業で活用していくという折衷案をとりながら実践を行った.実践の結果,少人数での希望者を対象としたケースでは,学会や科学コンテストにおいて,一定の成果を収めることができた.そして,報告を受けたクラス全体の生徒たちにも大きな刺激となった.調査対象校は,科学部が存在していない学校であるにもかかわらず,積極的に科学探究活動をしたいと希望する生徒が現れている.今後は,こうした波及効果を活用して,理科授業の中でも科学コンテスト等への参加ができるような工夫を検討していきたい.
エネルギー環境教育研究
第11巻
第2号
47
54
18820662