高等学校理科の授業後半で行う科学的に思考し推論する協働学習
高橋信幸,松本伸示
本研究では,高等学校理科において日常的な授業の中で習得型学習の利点と探究型学習の利点の融合を図り,理科の「見方・考え方」を自在に働かせられる力を育成するようなアクティブラーニングの授業デザインの実現を目指した.高等学校の基礎科目における授業実践を想定し,授業前半で学んだ「見方・考え方」を用いて,授業の後半で与えられたデータや情報をもとに,科学的に思考し推論する活動を行うアクティブラーニングを行う教材・指導法を開発・実践した.実践した理科授業では,授業後半の班別議論やクラス全体での共有の活動の場面で,授業前半の「見方・考え方」を用い,生徒が協働して科学的に思考し推論する活動を行っていた.以上より,本研究で開発・実践した理科授業は,科学的に思考し推論する協働学習を通して「見方・考え方」を働かせる教授・学習方略が具現化されており,「見方・考え方」を働かせる学習活動としての有用性が確認できた.
科学教育研究
日本科学教育学会
第41巻
第2号
131
140
21885338 03864553
10.14935/jssej.41.131
028360969