現在までに、①siRNAを用いた脳内および肝臓Hmgcs2ノックダウンによるマウスの睡眠変化、②アストロサイト特異的Hmgcs2過剰発現マウスの作成、③アストロサイト特異的Hmgcs2過剰発現マウスの睡眠変化、の予備実験を行った。
現在までの予備実験で得られた結果は以下の通りである。siRNAの脳室内投与によってマウスの脳内Hmgcs2をノックダウンすると、ベースラインの睡眠量、睡眠深度に変化はなかったが、断眠後のリバウンドが減弱する傾向にあった。また運動を伴う断眠によるリバウンドに関しては、脳室内投与よりも腸管の血管や尾静脈へのsiRNA投与による肝臓のHmgcs2ノックダウンによって、睡眠深度のリバウンドが減弱した。また、アストロサイト特異的Hmgcs2過剰発現マウスを用いた実験では、アストロサイトのHmgcs2が過剰発現しているマウスでは、活動量の低下と睡眠量の増加が認められた。