重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はヒトやネコ、イヌなどが発症するダニ媒介性の人獣共通感染症である。病原体であるSFTSウイルスは哺乳類の免疫細胞などに感染した時に宿主の防御機構のひとつであるプログラム細胞死を引き起こすが、免疫細胞以外については細胞死はほとんど認められない。さらに媒介動物であるマダニに感染した際の細胞死誘導については全く解明されていない。そこで本研究では、SFTSウイルスが感染した哺乳類細胞またはマダニ細胞内でどのようにプログラム細胞死誘導が抑制されているかを解析し、SFTSウイルスとプログラム細胞死がどのように関連しているかを明らかにする。