Conference

Basic information

Name Kojima Isshu
Belonging department
Occupation name
researchmap researcher code R000055330
researchmap agency Okayama University of Science

Title

狂犬病ウイルスM蛋白質95位のアミノ酸はCaspase非依存性の細胞死誘導に関与する

Author

児島一州/小澤真/伊藤直人/杉山誠/正谷達謄

Journal

第163回日本獣医学会

Publication Date

2020/09/08

Invited

Language

Japanese

学会講演(シンポジウム・セミナー含む)

Conference Class

Domestic conferences

Conference Type

Verbal presentations (general)

Promoter

Venue

山口大学

URL

Summary

【背景と目的】狂犬病ウイルスNi-CE (CE)株は、強毒の固定毒である西ヶ原(Ni)株の弱毒派生株である。CE株は神経系培養細胞に細胞死を誘導する一方、Ni株は誘導しない。また、M蛋白質95位のアミノ酸をCE株のものに置換したNi変異株、Ni(CEM95)株が細胞死を誘導し、逆に同部位のアミノ酸をNi株のものと置換したCE変異株、CE(NiM95)株は誘導しないことから、同部位のアミノ酸が細胞死誘導能を決定することが示されている(Mita et al., Virus Res., 2008)。この細胞死にアポトーシスが関与することが示唆されているものの、詳細は不明である。そこで今回、本現象の細胞死とアポトーシスの関連の解明を目的とし、各ウイルス株感染細胞においてアポトーシス誘導に不可欠な細胞内因子であるCaspase-3及びCaspase-7 (Caspase-3/7)の活性を解析した。【材料と方法】上記4株をヒト神経芽腫由来SK-N-SH細胞に感染多重度=1で接種した。Caspase-Glo 3/7 Assay KitによりCaspase-3/7活性の程度を発光強度として測定した。また、Caspase阻害剤(Z-VAD-FMK)を感染細胞に添加した時の細胞死誘導を顕微鏡にて観察し、生細胞数の量を発光強度として測定した。【結果と考察】いずれの株の感染細胞においてもCaspase-3/7の活性は低値を示し、株間で有意差は認められなかった。また、Z-VAD-FMKの有無に関わらず、CE株及びNi(CEM95)株感染細胞において細胞死が顕著に誘導された。さらに感染後の生細胞数においても、Z-VAD-FMK添加の有無による有意差は認められなかった。これらの結果から、CE株及びNi(CEM95)株が誘導する細胞死にCaspase-3/7は関与しない可能性が示された。すなわち、M蛋白質95位のアミノ酸が関与する細胞死はアポトーシスとは異なる機構で細胞死を誘導することが示唆された。