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左心低形成症候群14例を対象とした心臓内幹細胞自家移植療法の第I相臨床試験の結果を報告した。移植群7例においては両方向グレン手術あるいはフォンタン手術時に、右心房から採取した心臓組織から幹細胞を分離培養し、術後1ヵ月で30万個/kgの心筋幹細胞の選択的冠動脈内注入を行った。移植群で幹細胞注入に伴う心筋逸脱酵素の上昇はなく、心筋虚血症などの合併症もなかった。心臓超音波で評価した移植群の右室駆出率は、移植後3ヵ月から有意な改善を認め、18ヵ月時点では移植前と比較して平均+7.1%と効果が持続した。一方非移植群7例では+2.1%の改善にとどまり、細胞治療による改善効果が示された。またカテーテル検査値に基づく評価では、移植群で心筋弾性能やポンプ機能の改善を認め、心不全症状も著明に改善し、成長障害に対する有意な成長促進がみられた。非移植群では心不全症状の軽減や身体成長の改善は観察されなかった。 |