![]()
|
Diamond-Like Carbon(DLC)というナノカーボンコーティング素材がある。ダイヤモンド構造とグラファイト構造を併せ持つ素材で,昔から金属の耐久性や平滑性向上用コーティング素材であるが,主にカーボン(炭素)でできている為,生体適合性が良いことが知られていた。近年,樹脂へのコーティング技術,管状物質内腔へのコーティング技術,弾性のあるDLCを育成する技術,DLCに様々な物質を付加する技術等が急速に発達し,医療応用拡大が予想される。我々は長年DLCの医療応用研究を行い,人工血管素材の様な多孔性樹脂内腔へのコーティング技術をはじめ多くの技術を新規開発すると共に,人工血管への応用を目指し,血液適合性や抗菌性に関する知見を得てきた。DLCについては,医療応用の可能性が急速に拡大しており,医療機器への実用化の流れは加速して行くと思われる。最近の知見と我々の研究チームの成果を紹介する。(著者抄録) |