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本研究では、2023年4月末にオーストラリアのアリス・スプリングスで実施されたGRAINE(Gamma Ray Astro-Imager with Nuclear Emulsion)実験の気球飛行において露光された核乳剤フィルム中の宇宙線核を識別するため、機械学習システムの適用を行った結果を示した。100cm²の核乳剤画像に対し、Faster R-CNNなどの画像処理技術を用いて、鉄元素より重い宇宙線核の飛跡を検出した。現在の学習データセットにおいて、本アルゴリズムによる飛跡認識の効率と純度は、それぞれ85%以上、10%以上を達成している。機械学習により得られた宇宙線飛跡の大半は高い飛跡信頼度値を示した。結果として、この機械学習アプローチは目視検査に要する時間を1/10以下に削減し、宇宙線核の飛跡情報を効果的に提供することを可能とした。 |