Major Accomplishments of Genzo Toba in Natural History, Anthropology and Archaeology
Naoto Tomioka
鳥羽源蔵は、「岩手の博物学の太陽」とも呼ばれ、明治・大正・昭和の時代に考古学・人類学を含む自然史研究の上で大きな足跡を残した博物学研究者=自然史研究者である。鳥羽の採集した標本は牧野富太郎、坪井正五郎、松本彦七郎、矢部長克、松村松年、三好学、岩川友太郎、平瀬與一郎、黒田徳米等当時の第一線の自然科学研究者の協力を得て、新種の発見や自然科学上の新知見の獲得に結び付いた。鳥羽の研究の成果は、植物学・動物学・昆虫学・貝類学・古生物学・考古学・人類学・地理学に及び、後に宮沢賢治や東北大学考古学研究室にも大きく影響し、そこで学んだ富岡に対しても研究の基礎の形成に大きな影響を与えた。 本稿では富岡の長年の研究成果に基づき、従来指摘されていなかった彼の青年期での農業研究の新資料から紐解き、鳥羽の多面的な研究の展開、特に博物学・人類学・考古学上の業績を論じた。
Journal of Handayama Geography and Archaeology
Course of Geography and Archaeology in Okayama University of Science
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