Conference

Basic information

Name Katayama Seiichi
Belonging department
Occupation name
researchmap researcher code 1000052332
researchmap agency Okayama University of Science

Title

ウェルシュ菌Fibronectin結合タンパク質(FbpA • FbpB)に対するDP-4の結合とFbpA結合サイトの特定

Author

松永 望、遠藤晃範、櫃本泰雄、片山誠一

Journal

第34回生物試料分析科学会年次学術集会

Publication Date

2024/03/24

Invited

Not exist

Language

Japanese

学会講演(シンポジウム・セミナー含む)

Conference Class

Domestic conferences

Conference Type

Verbal presentations (general)

Promoter

生物試料分析科学会

Venue

大阪府大阪市

URL

Summary

病原細菌は宿主組織に付着して増殖し、感染巣を形成する。 そのため、 宿主組織に対 する病原細菌の付着因子は感染症を成立させるために重要である。 現在、付着因子の一 つと して Fibronectin(Fn)結合タンパク質 (Fbps)が知られている。我々はヒトに対して ガス壊疸を引き起こずウェルシュ菌が複数のFbps を有することを見出した。一方、Fn は血漿や組織中に含まれる細胞外マトリックスタンパク質(ECM)の一 つであり、Fnの線維化は初期の創傷治癒に深く関与してい る。Fnは12個のType I module、 2個のType II module 、15~17個のType Ill moduleから構成されている2本のポリペチド鎖から 成る。Fnの線維化は Type III module の12~14番目(III12-14)と別のFn 分子のType I moduleの1~5番目が結合することにより引き起こされる。 Dermatopontin (DPT)はこの反応を促進する生体内分子として現在、唯一 報告されている 22 kDaのECM である。DPTの中 でDP-4と呼ばれ る領域 (-PHGQVVVAVRSーの11残基)が主にFn線維化は Type III module の12~14番目(III12-14)と別のFn 分子のType I moduleの1~5番目が結合することにより引き起こ される。 Dermatopontin (DPT)はこの反応を促進する生体内分子として現在、唯一 報告されている 22 kDaのECM である。DPTの中 でDP-4と呼ばれ る領域 (-PHGQVVVAVRSーの11残基)が主にFn線維化を促進することが知られている。我々は近年、ウェルシュ菌Fbpsの中のFbpAおよびFbpBがDPTと 結合することにより、DPT誘発Fn 線維化を阻害したことを見出した。本研究はDPTの活性中心であるDP-4と FbpAおよびFbpBとの相互作用、さらにFbpAのどの領域がDP-4との結合に関与するのかについて検討した。
 遺伝子組換え体FbpA(rFbpA) 、FbpB(rFbpB)および III12.14(r1II 12.14)は造伝子組換え体大腸 菌を用いて大量発現させ、 ニ ッケルアフィニテイカラムで精製した。 DP-4、biotin標識化DP-4(biotin DP-4) はジェンスクリプト株式会社 に依頼 して合成した。 ま たFbpAのDP-4 との結合領域 を特定するために、 FbpA を20 ~30残基ずつに分割したFbpA Over lapping peptide (OLP) No. I~11をジェンスクリプト株式会社に依頼して合成 した。I) rFbpAおよびrFbpB と DP-4 との相互作用については Enzyme Linked Avidin Biotin Complex 法(ELABC 法)および競合 Enzyme Linked Immunosorbent Assay(競合ELISA) で検討した。2) FbpA の DP-4との結合領域の特定は各種FbpA OLP を用いて競合ELISA、 ELABC法、 Ligand Blotting法にて行った。
1)rFbpAおよびrFbpB と DP-4との相互作用
   ELABC 法によりコ ー ティングした rFbpAおよびrFbpBに対してbiotin DP-4は有意に結合した。 また、 競合ELISAによりDP-4はコ ーティングrFbpAおよびrFbpBに対するDPTの結合を談度依存的かつ有意に抑制した。2) FbpAのDP-4との結合領域の特定
 競合ELISAによりFbpA OLP No. I、 2、3、 8、9 、 10がrFbpAおよびrFbpBに対するDPTの結合を濃度依存的かつ有意に抑制した。 また、ELABC法によりbiotin DP-4はFbpA OLP Nol、3 、4、6 、 7、8、9、1Iと 有意に結合し た。Ligand Blotting 法により biotin DP-4 は FbpA OLP No. 3、9に結合した。
 FbpAおよびFbpB は少なくともDP-4と 結 合していること、 さらにFbpAの中のNEKILSRFSELSNEEKELIDINKITDPLHI(No.3 )およびIGNDTEVAFVSALCKTSNPEQGTYR SIGFD(No.9)の領域がDP-4との結合に関与している可能性が考えられた。