ライブカメラ画像と気象データを用いた機械学習による視程判定モデルの開発
西原 大貴・大橋 唯太
本研究では,機械学習を利用した霧の視 程判定モデルを作成し,検証をおこなっ た.畳み込みニューラルネットワーク (CNN)によるライブカメラ画像からの視 程判定モデルは,視程ごとの正解率でみる と,VIS=600m で85%,VIS=1,000m で 75%,非発生では100%の判定精度がそれ ぞれ得られた.したがって,視程 1 km 未 満の霧状態の画像を高い精度で判定できる ことが確認された.全国各地に存在するラ イブカメラ画像を利用した視程の判定に機 械学習が有効な手段として使えることを示 唆する結果といえる. ライブカメラが設置されておらず,代わ りに気象観測が行われている地域では,気 象データによる霧の視程判定モデルを構築 する手法が考えられた.本研究からは,機 械学習のうち勾配ブースティング (LightGBM)と呼ばれるアルゴリズムで視 程判定に高い精度が得られた(気温変化量 を選択した場合59%,湿数67%,水蒸気圧 56%,風速55%).さらに,気象データとし て単一要素ではなく,湿数,気温変化量, 水蒸気圧,風速といった霧の発生に寄与する特徴量を できるだけ多く学習モデルに投入することが,精度の 向上につながることも明らかとなった(LightGBM で すべての変数を用いた場合,正解率は 9 %精度の向上 につながった).
天気
日本気象学会
70
6
243
250