Conference

Basic information

Name Furumoto Kayo
Belonging department
Occupation name
researchmap researcher code B000331581
researchmap agency Okayama University of Science

Title

マウスおよびラットにおけるIFCC法試薬使用によるLDおよびALP測定値の変化

Author

古本佳代,畑明寿,藤谷登

Journal

第17回合同地方会(第66回日本臨床検査医学会中国・四国支部総会、第161回日本臨床化学会中国支部例会・総会、第31回日本臨床化学会四国支部例会・総会)

Publication Date

2021/02/13

Invited

Not exist

Language

Japanese

Conference Class

Conference Type

Verbal presentations (general)

Promoter

Venue

サンポート高松

URL

Summary

研究背景 我が国ではヒトと動物の臨床検査における乳酸脱水素酵素(LD)およびアルカリフォスファターゼ(ALP)活性測定は、日本臨床化学会常用基準法(JSCC法)に基づいた試薬が主に使用されてきた。ヒトの臨床検査分野では2020年4月から1年をかけて国際臨床化学連合基準法(IFCC法)への切り替えが進められている。将来的に従来のJSCC試薬供給が継続されるかは不明であり、動物臨床検査分野においてもIFCC法での測定値の変化を把握しておく必要がある。今回は動物実験用に飼育されているマウス(ICR)とラット(Wistar/ST)を対象とし両測定法の関係性について調査を行った。
方法 動物血液は岡山理科大学獣医学部獣医保健看護学科における実習にて採取された残余血清を利用した。血清は分析時まで-30℃で保管した。検体に同個体の重複は無い。測定試薬はいずれも富士フィルム和光純薬の臨床検査薬を用いた。分析は日立3100型生化学自動分析装置を用いた。試薬の測定範囲を逸脱した検体を除外した後、X軸をJSCC値、Y軸をIFCC値として標準主軸回帰法により回帰分析を行った。
結果と考察 LDのIFCC法測定値とJSCC法測定値の比(IFCC/JSCC比)は、マウスでは0.97、ラットでは0.98であった。また両測定値の関係性を示す回帰式はマウスではy = 1.00 x - 21.3、ラットはy = 1.01 x - 12.1となった。従って、今回用いたマウスおよびラット血液におけるLDのIFCC値とJSCC値はほぼ同等であり、これは臨床化学会が示したヒトにおけるJSCCとIFCC法間の回帰式(y = 0.961 x + 6.661)とも近いものであった。続いてALPのIFCC/JSCC比は、マウスで0.33、ラットでは0.26であった。回帰式はマウスでy = 0.34 x - 1.5、ラットでy = 0.24 x + 22.4となり、差がみられた。マウスにおけるALPのJSCCとIFCC値の関係性はヒトにおける回帰式(y = 0.357 x – 1.103)と同等であった。一方、今回対象としたラット血清におけるALPのJSCCとIFCC法間の回帰式は、ヒトに比べて傾きが小さかった。会場ではアイソザイム組成の分析結果等も踏まえて報告したいと考えている。