Conference

Basic information

Name Furumoto Kayo
Belonging department
Occupation name
researchmap researcher code B000331581
researchmap agency Okayama University of Science

Title

イヌの散歩時における熱中症対策に関するアンケート調査

Author

古本佳代

Journal

日本動物看護学会第32回大会

Publication Date

2023/09/02

Invited

Not exist

Language

Conference Class

Conference Type

Verbal presentations (general)

Promoter

日本動物看護学会

Venue

岡山理科大学 今治キャンパス

URL

Summary

【序文】イヌの健康管理において散歩は多くの飼養者が実施しており、暑熱環境下での実施には飼養者、イヌ共に熱中症発生への注意が必要である。本研究はイヌの散歩時の熱中症対策に役立つ情報を提供するための基礎データを収集することを目的とした。アジリティーはドッグスポーツのひとつであり、この活動に参加している飼養者やイヌは環境や運動による温熱ストレスを受ける機会が多いと考えられる。そこでアジリティーに参加している飼養者と参加していない飼養者では、熱中症対策への関心が異なるという仮説のもと、イヌの散歩時に実施している熱中症対策の実態調査を行った。
【調査方法】202211月に岡山理科大学今治キャンパスにて開催の大学祭に参加したイヌの飼養者(以下、C群)、20235月に愛媛県今治市にて開催の四国ブロックアジリティー競技会に参加したイヌの飼養者(以下、A群)を対象に、質問紙を用いて自己記入式法により実施した。調査項目は飼養者およびイヌの基本属性、イヌの散歩に関する項目、イヌの散歩中・散歩後の暑熱に起因する体調不良の有無、イヌの散歩時の熱中症対策に関する項目とした。両群の回答の比較にはカイ二乗検定、一元配置分散分析を用い(IBM, SPSS Statistics, Ver.25)、有意水準はp0.05とした。本研究は岡山理科大学人を対象とする研究倫理審査委員会の承認を受けて実施した(承認番号:4-11)。
【結果】C群の回答数108件、有効回答数56件、A群の回答数55件、有効回答数42件であった。イヌの散歩中・散歩後の暑熱に起因する体調不良はC群では飼養者8.9%、イヌ19.0%、A群では飼養者16.7%、イヌ9.5%が経験していた。両群の70%以上が散歩場所の地面は「アスファルト・コンクリート」と回答した。熱中症対策で心掛けていることは両群の75%以上が散歩の「時間帯」の変更であり、「場所」「回数」「時間(歩く長さ)」の変更においてはA群が有意に高値を示した。実施している熱中症対策では、両群の約半数が「気温の確認」「水分摂取」「直射日光の回避」「イヌの水分補給」であり、自身とイヌへの「身体への冷却グッズ装着」でA群が有意に高値を示した。熱中症対策の情報源は両群とも半数以上が「インターネット」であり、「友人・知人」「SNS」でA群が有意に高値を示した。
【考察】暑熱環境におけるアスファルト・コンクリート面での散歩は飼養者よりイヌの方が熱中症のリスクが高く、肢裏の熱傷のリスクもある。両群ともアスファルト・コンクリート面でのイヌの散歩における熱中症予防に効果が期待できる対策を実施していたが、A群の方が実施している対策数が多いことが示唆された。情報源もA群の方が多く、ドッグスポーツイベントを通じた情報交流が考えられた。今回の調査項目の中には熱中症予防に効果が低い、あるいは不明な項目も含まれており、熱中症予防効果の検証が必要であると考えられた。開示すべき利益相反なし。