外気温氷点下13℃における雪洞滞在時の生理的ストレスの変化
小野寺 昇、田中一徳、和田拓真、濱田大幹、石田恭生、 吉田 升、荒谷 友里恵、高原皓全、斎藤辰哉、林 聡太郎、玉里祐太郎、野瀬由佳、松生香里、石本恭子、古本佳代、白 優覧、西村一樹、吉岡 哲、山口英峰、原 英喜、油 井直子
目的:本研究は,冬季北海道空知支庁における氷点下13℃の雪洞滞在時の生理応答を明らかにした.方法:健康な成人男性 6名を対象とした.本研究は,川崎医療福祉大学倫理委員会の承認を得て,同倫理指針に従い研究を実施した(承認番号17-106).測定実施場所は,丸加高原伝習館(北海道滝川市)とした.測定項目は,心拍数,酸素摂取量,血圧,直腸温,主観的温度感覚とした.横穴式雪洞を 3基作成し,被験者は 2名が 1組になり,180分,座位姿勢で滞在した.被験者は,断熱板,保温下着,保温手袋,保温靴下,保温長靴および非常用保温アルミシートを使用した.実験時の天候は,雪であった.雪洞内気温は,-3.9℃,外気温は-13℃であった.結果:雪洞滞在時における時間経過に伴う直腸温の変化は,150分から170分後に,前値と比較して有意な低値を示した.心拍数は,滞在70分,120分および140分から160分に,前値と比較して有意な低値を示した.主観的温度感覚は,前値と比較し,有意な高値を示した(寒いと感じた).対体重酸素摂取量および血圧の変化において,有意な差はみられなかった.まとめ:雪洞への避難及び非常用保温アルミシート着用などの防寒対策が寒冷刺激に抗することが示唆された.
体力科学
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