倉敷市の屋外空間におけるイヌの散歩環境の温熱ストレスの調査
古本佳代, 尾崎佐登子, 富田早貴, 西山聖真, 前田憲孝, 神田鉄平, 糸井崇将
夏季のイヌの散歩では飼養者、イヌの双方において熱中症発生に注意が必要となる。双方が受ける温熱ストレスを調査し、安全管理に資することを目的とした。2015年8〜10月に岡山県倉敷市の水島中央公園において5〜8時(以下、朝時間)、16〜20時(以下、夕時間)のアスファルト面、土面で飼養者とイヌの高さで気温とWBGT (Wet Bulb Globe Temperature) 指数、路面温度の測定を行った。8、9月は同時刻でも土面よりアスファルト面の気温やWBGTが高い時間があり、アスファルト面では飼養者よりイヌの高さの気温やWBGTが高かった。8月は夕時間にイヌの肢裏が熱傷を起こす危険性がある時間があった。8月は朝時間に安全なイヌの散歩が実施できるが、朝時間に実施できない場合、上旬は19時以降、中旬〜下旬は17時以降に土面での実施が推奨される。9月は残暑の影響が残っている日があり、上旬や夕時間での実施には注意が必要で、土面での実施が推奨される。10月は安全なイヌの散歩が実施できる。
日本動物看護学会誌
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