ICTの進展やグローバル化による社会の急速な変化に伴い、社会で求められる人材像や働き方が変化しており、近年、リーダーシップは大学生が身につけるべき基本的な素養の1つと捉えられている。そのため、学生の能力養成の観点から、リーダーシップ教育が注目されている。
本研究では、米国の大学におけるリーダーシップ教育と日本の大学におけるリーダーシップ教育の比較をし、さらに、日本の大学における一定規模の2つのリーダーシップ教育プログラムを比較することで、現在の大学におけるリーダーシップ教育がどのような内容と方法で行われているのか、また、改善すべき点があるとすれば、どのような点なのかを明らかにすることとした。
その結果、日本の大学におけるリーダーシップ教育は、米国に比べて大きく遅れていること、日本の2つのリーダーシップ教育プログラムは実践的な教育に重点を置いていることがわかった。このことから、今後、日本の大学におけるリーダーシップ教育を、より効果的なものにしていくためには、リーダーシップ指導者の育成、リーダーシップ指導者による集団の形成、フォロワーとフォロワーシップの教育が必要であることを示すことができた。