広島東洋カープにおけるシーズン開幕直後の成績と観客動員数に関する研究:ファンの成績以外の期待や欲求に着目して
岡田 康太・東川 安雄
2015年度シーズン第1クール終了時点で、広島東洋カープはセ・リーグ最下位という成績にも関わらず、観客動員数はセ・リーグ6球団で最も高い比率で増加していた。これまでのプロ野球界では、勝利の喜びをファンと選手で共有することや華麗なプレーを見せることが、観客動員数やファンの増加に直結するという考え方が主流であったように思われる。このような中で、カープは必ずしも良い成績を残さなくても、観客動員数やファンを維持・増加させてきた。この現象から、カープファンには優勝や勝利といった成績以外に大きな価値を持ったものが存在している可能性があると推測された。そこで本研究の目的を、カープファンの成績以外の期待や欲求を調査・分析し、明らかにすることとした。まず、カープファンは、成績への期待もあるが、その他の大きな期待が存在していることを確認した。そして、カープファンは成績以外に、2015年度シーズンからカープに復帰した黒田博樹投手に関する期待と、ただカープを応援したいという欲求があることを明らかにした。これらのことから、カープは今後も成績に関係なくファンに支えられ、これまでと同様に黒字経営が可能であると考えられた。
日本体育学会 第67回大会プログラム
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10.20693/jspehss.67.191_1
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