本年度は、卵生産を核としたエネルギー平衡の解析を中心に調査を実施した。
(1)卵巣発達に伴う変化:飼料摂取量、体重、肝臓重量および卵胞重量は卵胞発達の過程で急速に増加した。卵巣発達により、血漿および肝臓トリグリセリド濃度、肝臓脂肪酸合成酵素群活性および肝臓グリコーゲン濃度は有意に増加・上昇した。卵巣発達過程における血漿トリグリセリドは、前、中および後期とその発達に伴って増加する傾向にあった。肝臓トリグリセリドは前中期に比べて後期に減少し、肝臓脂肪酸合成酵素群活性も同様に後期に低下した。肝臓グリコーゲンは前期に減少の傾向を示し、その後は漸増の傾向を示した。肝臓グリコーゲン総量は卵巣の発達に伴い増加し続けた。卵巣発達前期と中期における肝臓トリグリセリド、肝臓脂肪酸合成酵素群活性および肝臓グリコーゲンの三者の関係から、肝臓トリグリセリドは肝臓グリコーゲンを主な基質として肝臓脂肪酸合成酵素群活性の増大に