Conference

Basic information

Name Saneyoshi Mototaka
Belonging department
Occupation name
researchmap researcher code B000360061
researchmap agency Okayama University of Science

Title

兵庫県丹波篠山市の下部白亜系篠山層群大山下層から産出したネオケラトプス類の新たな標本の分類学的検討

Author

田中公教・千葉謙太郎・マイケル・ライアン・池田忠 広・辻光彦・実吉玄貴

Journal

日本古生物学会第175回例会

Publication Date

2025/12/06

Invited

Not exist

Language

Japanese

学会講演(シンポジウム・セミナー含む)

Conference Class

Domestic conferences

Conference Type

Verbal presentations (general)

Promoter

日本古生物学会

Venue

薩摩川内市、鹿児島

URL

Summary

兵庫県丹波篠山市に分布する篠山層群大山下層(アルビアン階)から,保存状態の良好な原始的角竜類化石が複数地点より報告され ている.2024 年には,そのうちの1地点より産出した標本(宮田標 本)に基づき新属新種のネオケラトプス類 Sasayamagnomus saegusai が記載された.本研究では,丹波篠山市の別地点から産出した新た なネオケラトプス類化石(川代標本)の分類学的検討を行う.川代標本は,丹波篠山市西部の川代1号トンネル掘削工事で生じ た岩砕の石割調査により発見された.正確な産出層準は不明であるが,大山下層最下部に位置する層厚約 40m の黒灰色泥岩層に由来す ると推定される.川代標本はすべて別々の岩砕より発見された遊離 骨で構成され,前上顎骨,涙骨,眼瞼骨,前頭骨,後眼窩骨,歯骨, 胴椎,上腕骨,中足骨,趾骨などを含む.歯骨の重複があること, また,宮田標本より大小大きさが異なる骨化石も含まれることから, 体サイズの異なる複数個体に由来すると考えられる.涙骨の背側前縁に見られるキノコ状の膨出や,腹側縁の顕著な陵と深い前眼窩窩 など S. saegusai と一致する特徴を示すが,前上顎骨や前頭骨の形態には差異も認められた.川代標本を仮に単一の個体として扱い系 統解析を行った結果,川代標本は S. saegusai(宮田標本)とは単系統を構成せず,Auroraceratops,(Sasayamagnomus + Aquilops), より派生的なネオケラトプス類からなる単系統と多系統を構成した.この結果は,川代標本が Sasayamagnomus とは異なるネオケラトプス 類である可能性を示す.これらの詳細な分類学を明らかにするため, 成長による形態変化などを考慮したより詳細な検討が必要である.