モナズ石の希土類元素の分布は, 共存する鉱物や温度―圧力条件によって変化するため, ウラン-鉛-トリウム年代測定などによって得られた年代値を解釈するのに役立つ. 本研究では, 岡山理科大学設置の電子マイクロアナライザとリン酸塩鉱物の標準試料を用いて, モナズ石の希土類元素が本装置で定量的に分析可能かどうか予察的に検討を試みた. 島根県隠岐道後に分布する隠岐片麻岩類からのモナズ石は, 軽希土類元素に富み,右下がりパターンのモナズ石の典型的な希土類元素パターンを示す. しかし, 一部の重希土類元素は検出限界以下あるいは軽希土類元素との干渉により, 定量的に精度よく測定できなかった. 今後は, 分析条件や干渉補正条件について検討することにより, モナザイトの重希土類元素を精度の高い分析を目指す.