極東ネパールヒマラヤ地域において,黒雲母脱水溶融反応で形成したミグマタイトの微細構造組織を検討した.メルトと平衡に成長したザクロ石やカリ長石中は不規則に配列した包有物を持つ.また,基質部石英は縁部が明るいカソードルミネッセンス(CL)累帯構造が観察されるが,ザクロ石中の石英はCL累帯構造を持たない.これらの石英CL累帯構造は,構造欠陥の解消と関連する可能性がある.今後は,石英CLスペクトルから石英CL発光の帰属を明確にして,メルト・流体包有物を解析することによりヒマラヤ地殻溶融反応の実体を具体的に明らかにする.