野生分離Saccharomyces cerevisiaeを用いて麦汁発酵試験を行った。HPLC分析の結果,本株はマルトースやマルトトリオースを速やかに代謝し,市販エール酵母を上回るエタノール産生能を示すことが確認された。
加えて,ビールのボディ感やコク,口当たりを向上させるグリセロールも高濃度で産生した。またGCによる香気成分分析では,オフフレーバーとされる4-Vinylguaiacol(4-VG)やイソアミルアルコールの産生が少ない一方,好ましいフルーティー香であるカプリル酸エチルを豊富に産生するという,ビール醸造に極めて有利な特性が認められた。