腎輸入細動脈と輸出細動脈は糸球体濾過量(GFR)を一定に保つ腎循環の自己調節において重要な役割を果たしており、それぞれが異なる収縮特性を持っている。しかし、その違いを生み出す分子メカニズムは十分に明らかにされていない。本研究では平滑筋収縮特性に応じて発現量が変化する平滑筋ミオシンのリン酸化調節因子であるCPI-17に着目し、それぞれの細動脈でのCPI-17の発現や機能的な違いを探索する。本研究により腎細動脈の収縮調節の分子基盤が明らかになることで、高血圧や糖尿病など細動脈の収縮能が影響を受ける疾患の新たな研究標的が明確になると期待される。