プロテインホスファターゼ2Aによる平滑筋収縮調節のメカニズムを解明するため、細胞膜を破壊した平滑筋標本を用いて、力学測定・微量タンパク質リン酸化測定を実施した。選択的PP2A阻害薬rubratoxin Aは標本Caイオン活性化張力及びミオシン軽鎖リン酸化を非可逆的に抑制した。ミオシン軽鎖キナーゼ活性見積もりから、ミオシン軽鎖リン酸化抑制にはミオシン軽鎖キナーゼ活性抑制が関与する可能性が示唆された。一方で、ミオシン軽鎖リン酸化に依存しないラッチ収縮モデルであるMgイオン活性化収縮張力もrubratoxin Aは一定程度抑制した。従ってPP2Aは平滑筋収縮系を複数過程で制御する事が考えられる。