ウシ毛様体筋は素早い応答と持続的な張力維持という収縮特性を持つ平滑筋である。この収縮の調節の分子機序の解明を目指し、我々が開発してきた高感度リン酸化定量法を用いてリン酸化解析を行った。ウシ毛様体筋においてはカルバコール誘導性収縮、並びにイオノマイシンによるCa2+誘導性収縮いずれにおいても収縮弛緩に伴うミオシン軽鎖のリン酸化に大きな変化が見られなかった。また、ミオシン軽鎖キナーゼの阻害剤も収縮を抑制することはできなかった。このことは毛様体筋が他の平滑筋とは異なる収縮弛緩調節機序を持っていることを強く示唆している。