GRASP-Japan とは、ユネップ(国際連合環境計画)とユネスコ(国際連合教育科学文化機構)が協力して運営している「大型類人猿保全計画」(Great Ape Survival Project)に呼応して、日本人の大型類人猿研究者が立ち上げたNGOである。その主要なミッションは、(1) 大型類人猿が絶滅の危機にあることを広報して注意を喚起する、(2) 政府やファンディング・エイジェンシーへのロビー活動、(3) 大型類人猿保全のための募金活動、(4) 大型類人猿棲息地での保全活動の推進、(5) GRASP の活動に対する援助・協力など、である。本シンポジウムでは、GRASP-Japan の全メンバーが集まり、日本人研究者がおこなってきた、またおこなおうとしている研究・保全活動を紹介したい。
西田がまず、大型類人猿の保全の現状について概観する。そのあと、7人の発表者がそれぞれ、各地の類人猿の興味深い行動と彼らの保全活動を紹介する。発表時間は、各15分程度を予定している。
1.西田利貞 GRASPと大型類人猿の保全
2.伊谷原一 ワンバ:ルオー学術保護区(コンゴ民主共和国)
3.山極寿一 カフジビエガ国立公園(コンゴ民主共和国)
4.竹ノ下祐二 ムカラバ国立公園(ガボン)
5.中村美知夫 マハレ・ウガラ地域(タンザニア)
6.橋本千絵 カリンズ森林保護区(ウガンダ)
7.山越 言 ボッソウ・ニンバ地域(ギニア)
8.鈴木 晃 クタイ国立公園(インドネシア)