動物用金属製ケージにおけるポリエチレン製マットの保温効果
清水夕貴, 佐伯香織, 川田修司, 粕井康平, 宮部真裕, 野原正勝, 古本佳代, 神田鉄平
動物病院で用いられる金属製ケージは動物に対して熱伝導による熱損失の助長や床表面の冷感による不快感を生じさせるおそれがある。本研究では、金属製ケージ内にポリエチレン製マットの設置により保温効果が得られるのか調査した。ケージ内にペットシーツのみ、タオルとペットシーツ、ポリエチレン製マットとペットシーツを敷き、その上にホットパックを設置し、赤外線サーモグラフィでペットシーツおよびホットパックの表面温度を測定した。ポリエチレン製マットを用いた群のホットパックの表面温度は、ホットパック設置後の5-120分まで、ペットシーツのみを用いた群と比較し有意に高い値を示した。同様にタオルを用いた群およびポリエチレン製マットを用いた群の比較では、有意な差は認められなかった。本実験条件下において、ポリエチレン製マットおよびタオルは患者動物に見立てた熱源であるホットパックからの熱喪失を軽減することが明らかとなった。
日本動物看護学会誌
29
1
N1
N5
https://doi.org/10.34452/veterinarynursing.29.1_N1