炭酸カルシウム表面に対するMn2+の吸着挙動

松岡修吾、川本大祐、横山崇

2024日本化学会中国四国支部大会

岡山県

土壌に存在する炭酸塩鉱物と重金属イオンとの相互作用は、水圏における重金属イオンの移行挙動を制御する要因の一つであると考えられている。そのために、炭酸塩鉱物に対する様々な重金属イオンの吸着機構が研究されてきた。これまでの研究では重金属イオンの吸着挙動に影響を及ぼす因子の特定や吸着量の推定が行われてきたが、吸着した化学種の状態に対する報告はない。吸着機構を解明するためには、固液界面における原子レベルでの構造情報が非常に重要である。そこで本研究では炭酸カルシウム（CaCO3）に対する重金属イオンの吸着機構の解明を目的として、天然の炭酸塩鉱物中に多く含まれるMn2+を例にCaCO3に対する吸着挙動を調査し、吸着したMn化学種の状態分析を行った。