本論文は,日本の保育者にあたる,乳幼児期教員の資格及び求められる力量を示す教員スタンダードについて検討したものである。イングランドの保育者には,統一的な資格がなかったが,2013年に乳幼児期教員資格が導入された。乳幼児期教員は,一定の養成教育を受け,教員スタンダード(乳幼児期)に示される知識や技能を備えておくことが求められる。8つの大項目と38の小項目からなる教員スタンダードは,幼児への働きかけ,カリキュラム,特別な支援,評価,安全,そして保育者の専門性まで広範にわたるものである。一連の改革によって,保育者の資格の標準化と高度化が図られた。