Conference

Basic information

Name Kadekaru Sho
Belonging department
Occupation name
researchmap researcher code R000032212
researchmap agency Okayama University of Science

Title

採卵鶏の雌性生殖器および卵管腺癌における免疫 組織化学的検討

Author

中村 進一、尾崎 由麻、新見 日向、山内 博雅、嘉手苅 将、 杉山 晶彦

Journal

第167回日本獣医学会学術集会

Publication Date

2024/09/10

Invited

Not exist

Language

Japanese

学会講演(シンポジウム・セミナー含む)

Conference Class

Domestic conferences

Conference Type

Verbal presentations (general)

Promoter

Venue

URL

Summary

【背景】採卵鶏は卵巣や卵管に腫瘍が好発するが、明瞭な腫瘤を形成
せず原発巣の特定が困難なことが多い。また、中皮腫や他臓器由来の
腺癌との鑑別も時に必要となる。今回、鶏の腫瘍の鑑別に有用な免疫
染色マーカーを明らかにするために、免疫組織化学的に検討した。
【材料と方法】約600日齢の採卵鶏で、正常な卵巣と卵管3例、卵管
腺癌3例を対象とした。Cytokeratin (CK) AE1/AE3、CK 5/6、CK7、
CK20、Vimentin、Estrogen receptor (ER)、Progesterone receptor (PgR)、
オボアルブミン (OVA)、PAX8、カルレチニン (CAL) およびWT1 に対
する免疫染色を実施した。
【結果】各3例はいずれも同様の染色性を示した。AE1/AE3は卵巣表
層上皮、卵管粘膜上皮および中皮細胞に陽性で、膨大部および峡部腺、
卵管腺癌は一部陰性。Vimentinは卵巣表層上皮、卵管粘膜上皮、中皮
細胞および卵管腺癌で一部陽性。OVAは卵巣表層上皮、膨大部および
峡部腺、中皮細胞に陽性を示したほか、卵管腺癌で一部陽性。ERと
PgRは卵巣表層上皮、中皮細胞および卵管各部位で一部陽性。CALと
WT1は卵巣表層上皮と中皮細胞が陽性で、さらにWT1は卵管腺癌の
一部も陽性を示した。その他の抗体は交差反応がなかった。
【考察】AE1/AE3 は膨大部および峡部腺、卵管腺癌で一部陰性を示し、
腫瘍発生部位との関連が窺われた。OVAは膨大部および峡部腺や卵
管腺癌の他、卵巣表層上皮や中皮細胞にも陽性を示したことから、卵
巣腺癌や中皮腫も陽性となる可能性が示唆された。また、中皮細胞は
WT1よりもCALの染色性が良好で中皮腫への応用が期待できるが、
卵巣腺癌でも陽性となる可能性がある。以上のことから、鶏の腫瘍の
診断には複数の抗体を組み合わせる必要があると考えられた。