15歳3か月齢の雑種犬、オスが舌に発生した腫瘤を主訴に近医を受診、病理組織学的に扁平上皮癌と診断され、精査を希望し帯広畜産大学動物医療センターを紹介受診した。舌正中に膨隆するカリフラワー状の脆弱な腫瘍が貫通性に認められ、飼い主の希望と年齢等を考慮し常電圧X線による緩和放射線治療(6.5Gy×4回)を行った。腫瘍は治療に良好に反応し肉眼的には病変は観察されなくなった。腫瘍部から舌が断裂したものの、採食は可能であり初診から2年5か月経過時も再発・転移は認められずフォローアップを終了した。症例は第971病日に慢性腎臓病の進行により斃死した。