本研究の目的は種子の発芽条件に対する児童の理解を向上させるためにその指導方法に改善を加えることである。事前調査としては小学校第6学年児童(n=162)小学校第5学年児童(n=136)を対象に,水が無い場合にインゲンマメの種子が発芽するか問う質問紙調査を行った。その結果,発芽の学習を終えている児童であっても水が無い例において種子が発芽すると答えるものがいることが明らかになった。そこで本調査として同様の小学校第5学年児童に対し,教科書通りの授業に加えて,オリーブオイル・メタノールを水の代わりに与えて種子が発芽するか調べる実験を用いた追加の授業を行い,児童の理解の変化を調べた。その結果,水以外の液体を用いた発芽実験を扱う授業を行うことで種子の発芽における水の必要性の理解が向上することが明らかになった。