本研究では,高等学校の理科課題研究において,グループでの話し合いを重視し,実験における変数の同定と制御や研究プロセスのメタ認知を促すため,「問題把握と仮説設定の段階の重視」,「グループでの話し合いの重視」,「変数制御を意識させるテーマの採用」の 3 点を指導方略とする実践を行った。TIPS IIを用いた学習効果の調査では、理科プロセススキルが大幅に向上したことが示された。また、別の調査では、90%の生徒が研究仮説を記述でき、研究プロセスをメタ認知できたことも明らかになった。このことから,理科課題研究においてグループでの話し合いを重視した本研究の指導方略による活動を行うことが,サイエンスプロセス・スキルを高め,研究の過程についてのメタ認知を促す可能性があることが示唆された。