競争的資金等の研究課題

基本情報

氏名 近久 幸子
氏名(カナ) チカヒサ サチコ
氏名(英語) Chikahisa Sachiko
所属 獣医学部 獣医学科
職名 准教授
researchmap研究者コード B000322773
researchmap機関 岡山理科大学

タイトル

夜型の生理機能:夜型モデルマウスを用いた解析的研究

提供機関

日本学術振興会

制度名

科学研究費助成事業

研究期間(From)

2006-04-01

研究期間(To)

2008-03-31

担当区分

 

担当研究者

佐野 敦子

研究種目

基盤研究(C)

研究概要

サーカディアンリズムの発振機構は、時計遺伝子の発見に始まり、日進月歩に解明が進んでいる。CLOCKとBMAL1はポジティブ因子を形成し、Per1、Per2などの主振動遺伝子のE-boxに結合し、それらの転写を促す。PER1、PER2は、核外において、CRY1、CRY2などと結合し、ネガティブ因子として核内に移行する。このネガティブ因子は、核内におけるポジティブ因子の働きを阻害し、結果、PER1、PER2の転写が抑制される。このネガティブフィードバックによって、サーカディアンリズムが形成されると考えられている。これまで我々は、Clock遺伝子の変異マウス(ICR系)が、夜型の行動・睡眠・体温のリズムパターンを示すことを明らかにしてきたが、本補助金によって、下記のことを新たに見いだした。
1)Clock遺伝子変異マウスの循環調節
Clock遺伝子の変異マウスでは、血圧・心拍数の日内変動がnon-dipping型を示し、副腎機能が関与している可能性がある。
2)Clock遺伝子変異マウスの学習能
Clock遺伝子の変異マウスでは、空間認知に関わる学習能が低下している。
3)PPARsアゴニストの慢性投与が睡眠・行動・体温リズムに及ぼす効果
Clock遺伝子によって強く発現調節を受けているPPAR-alphaのアゴニスト(bezafibrate)の慢性投与は、体温・行動・睡眠の位相を前進させる。また、ノンレム睡眠期のデルタ波を増強し、6時間の断眠に対する反応を抑制する。
時計遺伝子であるClockは、様々な生理機構に関与する、重要な転写因子であることが示唆される。生活習慣病の予防を考える際、Clock遺伝子の制御が重要なファクターとなるであろう。