競争的資金等の研究課題

基本情報

氏名 片山 圭一
氏名(カナ) カタヤマ ケイイチ
氏名(英語) Katayama Keiichi
所属 獣医学部 獣医学科
職名 准教授
researchmap研究者コード B000305947
researchmap機関 岡山理科大学

タイトル

環境化学物質による胎仔毒性・催奇形性の発現機序に関する基礎的研究

提供機関

日本学術振興会

制度名

科学研究費助成事業

研究期間(From)

2001

研究期間(To)

2003

担当区分

 

担当研究者

片山 圭一

研究種目

特別研究員奨励費

研究概要

これまでに私はethylnitrosourea(ENU)はラット胎仔の中枢神経組織の神経幹細胞、生殖巣の始原生殖細胞、胎盤の栄養膜細胞などにアポトーシスおよび細胞周期停止を誘発し、その後、当該器官において奇形の発生が高率に認められること、および、その過程にはp53蛋白が重要な役割を果たしていることを示唆する結果を得ている。
今年度は、ラット胎仔組織におけるENU誘発アポトーシスおよび細胞周期停止の発現機構および当該組織における奇形発生のメカニズムをより詳細に明らかにするために,DNAマイクロアレイ法を用いてENU投与後の胎仔中枢神経組織における遺伝子発現の変化を明らかにした。この結果ENUによるアポトーシスおよび細胞周期停止の発現に先立って多くのp53の転写標的遺伝子の発現が増加し、ENUによる胎仔中枢神経組織のアポトーシスおよび細胞周期停止の発現にはp53が重要な役割を果てしていることが再確認された。本研究の成果は現在投稿準備中である。
さらに、ENUによる胎仔中枢神経組織のアポトーシスおよび細胞周期停止におけるp53の役割をより明確にするため、p53ノックアウトマウスを用いて実験を行った。その結果p53欠損マウスではENUによるアポトーシスおよび細胞周期停止の双方が全く誘発されなかった。従って、ENU誘発胎仔中枢神経組織のアポトーシスおよび細胞周期停止にはp53が必須であることが示された。また、本研究の成果は国際学術誌である「Cell Death and Differentiation」誌に投稿し、現在査読中である。