競争的資金等の研究課題

基本情報

氏名 逢坂 大樹
氏名(カナ) オウサカ ダイキ
氏名(英語) Ousaka Daiki
所属 生命科学部 医療技術学科
職名 准教授
researchmap研究者コード B000342311
researchmap機関 岡山理科大学

タイトル

バイオセンサー分子としてのHMGB1の動態と多機能性解析

提供機関

日本学術振興会

制度名

科学研究費助成事業 基盤研究(B)

研究期間(From)

2019-04-01

研究期間(To)

2022-03-31

担当区分

 

担当研究者

西堀 正洋
阪口 政清
逢坂 大樹
王 登莉
和氣 秀徳
勅使川原 匡

研究種目

基盤研究(B)

研究概要

組織損傷関連分子群(Damage-associated molecular patterns; DAMPs)の代表である核内因子High mobility group box-1 (HMGB1) は、起炎性刺激によって細胞外へ放出される。一方、申請者はHMGB1が生理的活性物質によっても、血管内皮細胞から分泌されることを明らかにし、生理機能調節に関与するバイオセンサーとしての機能に注目するに至った。すでに、HMGB1の放出反応は抗HMGB1抗体の添加で殆ど完全に抑制されることを観察し、ポジティブフィードバックの存在を推定している。本研究では、血管内皮細胞をモデル細胞として用いることにより、HMGB1の分泌過程を解明し、一連のサイトカイン産生における増幅機能、内皮細胞ホメオステーシスにおける意義、細胞質内における新規機能の全体像を明らかにする。
平成31(令和元)年度は、トロンビン刺激あるいはヒスタミン刺激によって、培養ヒト血管内皮細胞(EA.hy926)の細胞核から細胞質を経由して細胞外へHMGB1が分泌されることを明らかにした。ヒスタミン刺激によるHMGB1の分泌は、ヒスタミンの濃度依存的に生じ、ヒスタミン添加後時間依存的に進行した。4種類のヒスタミン受容体アンタゴニストの内、H1-選択的なアンタゴニストであるd-クロルフェニラミンのみがヒスタミン刺激によるHMGB1分泌を抑制し、またH1-受容体アゴニストの2-ピリジルエチルアミンがヒスタミンの作用を模倣したことから、HMGB1トランスロケーションに関与する受容体はH1-受容体であると結論された。