本研究ではベトナム中部・チャーキュウ遺跡において、発掘調査を根幹とする日越共同研究を実施している。その目的は東南アジアの初期国家「林邑」の出現と形成の過程を考古学的に解明することである。林邑王都に比定されるチャーキュウ遺跡の城壁に注目し、その建設年代と構築方法を知るために、東城壁において二度の発掘調査を実施した。その結果、東城壁の中心を縦走する二列のレンガ壁が検出され、それらを含む最初の城壁の建設が後3世紀後半から4世紀に遡り、その後おそらく6世紀初頭までに二度の増築が行われたことがわかった。林邑史さらには東南アジア古代史研究に対し重要な知見をもたらすことができた。