近年,フランス極東学院のインドシナ研究と博物館に関する重要な出版物が数多く出されている。中でもフランスのピエール・シンガラベロー(Pierre Singaravélou)の著作(1999)はフランス極東学院の歴史的評価に関する重要な文献の一つであり,インドシナの博物館に関してはジョナサン・パケット(Jonathan Paquette)による優れた著作(2022)がある。筆者自身もフランス極東学院のインドシナ研究について論じたことがあり(2014),本稿ではそれらを参考にしながら,紙幅の都合上,19世紀後半から20世紀前半の動きを中心に概要を述べたい。