昨年度として拡散暗号方式を完成させており、これをメールデータの暗号化・ユーザ認証として実装するためにThunderbirdに対して独自実装することができた(昨年度はEnigmailとして実装)。より具体的には、暗号強度を自在に変えることができる乗算アルゴリズムをC言語およびJavaScriptとして実装した。JavaScript実装については、必ずしも大きな整数での実装が効率よく働かないため、本研究の成果が有効に働く。具体的には、30ビット程度の整数演算をベースとしつつ、暗号の強度を上げるためにベクトルの次元数を上げることで3000ビットクラスの強度を実現する。その際に、安全性の観点からその群の位数が小さな素因数をもたないようにするために、十分安全な大きな素因数をもつようにパラメータを選択し、そのパラメータを用いることで実現する。一方で、その暗号の拡散性を実現するためのパラメータを自在に選べるようにできることを確認できた。そのようなことも踏まえ、2022年度としてはその拡散性をセッションキー・ワンタイムパスワード的に使えるようにするとともに、これを具体的な医療データの暗号化の方にも実装する。その際の秘密分散法についてもより軽量化した実装として実現することができており、さらなる安全性強度を実現できる。なお、ユーザ認証に関しては、ElGamal暗号および楕円曲線暗号をベースとした公開鍵認証を考えている。前者については2021年度として実装確認できており、2022年度としては後者での実現も図る。