バスケットボールにおいて、シュート動作は得点に直結する最も重要なスキルの一つである。特
に初心者に対する指導において、指導者の感覚的な言語指示だけでは、学習者が自身の身体の動き
をイメージしにくく、理想的なフォームの習得に時間を要するという課題がある。従来、動作分析
には高価なモーションキャプチャシステムや専用のマーカーが必要とされることが多く、学校の部
活動や個人の練習環境で手軽に利用することは困難である。近年、Google が開発した「MediaPipe」
などのオープンソースライブラリの発展により、単眼カメラの映像から関節位置(ランドマーク)
を高精度に推定することが可能となっている。先行研究として、我々は弓道動作における熟練者と
初心者の比較を行い、体幹の安定性や関節位置の変動を可視化することの有効性を確認してきた。
本研究では、この技術をバスケットボールのシュート動作に応用し、熟練者と初心者の動作の違い
を定量的に明らかにすることを目的とする。