主に宇宙における元素組成は、水素と少量のしか存在してないとされているビックバン起源、ヘリウム以降のFe族元素にかけて恒星内で元素合成-核融合反応による起源、鉄などの元素が中性子を吸収する中性子捕獲をする中性子星-連星合体による起源から構成されている。一旦Fe族の元素などが逆に中性子を吸収して次々と重元素が作られていくと考えられているが、重元素の起源や構成される際の環境の実現においては未解決な課題となっている。未解決問題に向けて、宇宙線原子核を直接観測するための検出器として原子核乾板を用いる。原子核乾板は、荷電粒子を飛跡として観測するための高感度写真フィルムの一種で、サブミクロンの空間分解能で3次元的に飛跡を観測・記録ができる検出器である。宇宙ガンマ線気球フライト観測実験GRAINE2023において、大量の原子核乾板を用いて大面積の観測に成功し、大量の重元素原子核飛跡の観測が見込まれているため、GRAINE2023実験の原子核飛跡を用いた。原子核乾板は、HTS2と呼ばれる超高速飛跡読取装置で画像データとして保存するが、人の視覚で大量の画像データから重元素原子核飛跡を探すのは非常に困難である。従って、教師あり機械学習を用いた飛跡の自動検出が必要になる。