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本研究では、教員養成課程の学生を対象とした保健体育の模擬授業を通して実施したリフレクションシートの量的な分析から、模擬授業受講生の「省察」について検討することを目的とした。省察の分析にあたっては、木山が分類した上位カテゴリー、下位カテゴリーを用いて行った(木山,2016)。その結果は、次のようにまとめられる。大学生を生徒役とした保健体育模擬授業では、1.全授業を通しては、「マネジメント」(13.81%)、「雰囲気づくり」(13.20%)、「説明」(6.83%)、「声・話し方」(5.31%)の項目で有意な差異が認められた(x2=296.82, df=9, p<.001)。2.マット運動(x2=3.50, df=1, p<.10)、フォークダンス(x2=9.20, df=1, p<.01)の各授業では、「教師の活動」、「授業の内容」の割合で、統計的な有意傾向がみられた。また、4種目の「教師の活動」、「授業の内容」の割合では、マット運動の「授業の内容」(p<.05)およびフォークダンスの「教師の活動」(p<.01)が有意に高い値を示した。3.授業毎の下位カテゴリー項目の割合を比較したところ、「声・話し方」(x2=14.71, df=3, p<.01)、「説明」(x2=7.00, df=3, p<.10)、「雰囲気づくり」(x2=22.75, df=3, p<.001)、「マネジメント」(x2=12.74, df=3, p<.01)、「運動量」(x2=22.75, df=3, p<.001)、「時間配分」(x2=34.21, df=3, p<.001)、「展開」(x2=7.57, df=3, p<.10)、「めあての対応」(x2=7.00, df=3, p<.10)で有意差がみられた。4.全授業の記述を生徒役の所属別にみたところ、「教師の活動」、「授業の内容」の上位カテゴリーで有意差がみられた(x2=8.30, df=1, p<.01)。下位カテゴリーでは、「示範」(x2=14.22, df=1, p<.001)、「フィードバック」(x2=13.76, df=1, p<.001)、「めあての対応」(x2=5.79, df=1, p<.05)において、所属による有意差がみられた。 |