分子の極性に関する実験教材の研究
高原周一
日本化学会 第101春季年会 (2021)
オンライン
分子の極性を示すための実験として液流が帯電体によって曲がるという現象が用いられることがある。種々の液体についてこの現象を調べた結果、分子の極性と曲がり角度に相関があることが確認されたが、大きな曲がり角度を示す液体では液体の帯電も観測された。この結果は、この現象の原因が誘電分極ではなく静電誘導であることを示唆している。よって、この現象を分子の極性を示す実験として用いることは不適当であると考えられる。