これまで,物理分野における熱力学に関する誤概念研究は行われているが,化学分野におけるエネルギーおよび熱に関する誤概念研究は行われていない.そこで,大学の授業の中で受講生を対象として高校化学で学習するエネルギーおよび熱に関する誤概念を調査した.その結果,「強い引力を受ける粒子のエネルギーは高い」「陽イオンは貴ガスの電子配置で原子より低エネルギー」「高温で起こる変化は発熱変化」「結合をつくるにはエネルギーが必要」「発熱するとエネルギーが増え,吸熱するとエネルギーが減る」といった誤概念の存在が明らかになった.これらを払拭するために取り上げるべき科学概念について考察した.