きび砂糖(不完全精製糖)は上白糖(完全精製糖)とは異なり、血糖値の上昇が緩やかになる成分(オリゴ糖)の含有が報告されているが、きび砂糖の血糖値上昇抑制に関する詳細はほとんど明らかにされていない。申請者は予備研究において、さとうきび搾汁液有機溶媒抽出画分に核内受容体Peroxisome Proliferator Activated Receptor-g(PPAR-g)活性化作用(血糖値上昇抑制作用)を見出した。すなわち、活性化物質はオリゴ糖とは異なる低分子化合物であることが予想された。そこで活性成分の精製を詳細に検討を行い、活性成分単離スキームを確立した。しかしながら活性成分は微量であったことから、本研究では1)活性化物質の単離、精製及び構造解析、2)活性化物質によるPPAR-g活性化機構の解明、3)活性化物質の定量系確立及び、活性成分の品種間変動、季節変動について検討を行う。さらに本研究結果をもとに、黒糖、きび糖等関連食品に含まれる活性化物質含量について評価を行い、血糖値上昇抑制活性に関するエビデンスを確立する。