ヒトの臨床検査において、我が国では2020 年以降、乳酸脱水素酵素(LD)およびアルカ リフォスファターゼ(ALP)の測定方法が日本臨床化学会常用基準法(JSCC法)から国際臨床化学連合基準法(IFCC法)へ切り替えられた。これに際し、ヒト検体ではLD測定値は IFCC法とJSCC法でほぼ同等、一方ALP測定値 は約1/3となることが日本臨床化学会から周知された。我々は動物の検査 分野においてもIFCC法移行による測定値の変 化を把握しておく必要があると考え、犬、猫、 牛、ラット、マウス等を対象にJSCC法とIFCC 法で得られた血中のLDとALPの関係性を調査した。その結果、各動物種のLDおよびALP測定におけるIFCC 法とJSCC法の関係性は、動物種により変動する。これには種毎のアイソザイム構成の違いと、各アイソザイムの測定試薬との反応性の違いが影響していると推測された。