イヌの散歩をイヌの健康管理のためのみの外出ではなく、飼養者の健康づくりのための身体活動としても注目した。両条件とも普段通りの歩行をするよう指示し、飼養者+イヌ、飼養者のみの散歩における身体活動強度、身体活動量を測定した。イヌとの散歩は飼養者のみの散歩と身体活動強度は同等であり、イヌの存在は飼養者の身体活動強度に影響を及ぼさないことが示唆された。一方、身体活動量は飼養者のみの散歩が有意に大きかった。頻度に差はあるものの、全てのイヌが散歩中に排泄行動や社会空間行動を実施したことから、イヌの行動特性が身体活動量の低下に影響すると考えられた。予備心拍数の結果より、散歩は飼養者にもイヌにも低強度の身体活動であり、日々の散歩にドッグランの利用やおもちゃを使った遊びなどを取り入れる、飼養者が意識的に歩行方法を工夫することにより、イヌおよび飼養者の健康づくりにおける身体活動強度、身体活動量増加の効果が期待できると考えられた。