動物病院では診察台を衛生的に管理するため、定期的に清拭を行う。診察台表面の一般生菌数を指標とし、清拭に用いるタオルの管理方法が診察台の清拭効果に及ぼす影響を検討した。民間の動物病院に協力を依頼し、その動物病院が定法としていたタオルと中性電解水を用いた方法で診察台の清拭を行った。清拭に用いるタオルを(1)診察台の清拭後、流水洗浄と手絞りを実施し、繰返し使用しているタオル(複数回使用タオル)、(2)洗濯済みで未使用のタオル(単回使用タオル)の2条件とした。単回使用タオルによる清拭では、診察台の汚染度の悪化は見られなかったが、有意な清拭効果を示すには、今後試行数を増やし、検討する必要がある。複数回使用タオル群では半数以上に診察台の汚染度の悪化が見られ、汚染度の著しい悪化もあった。診察台の清拭において、水洗いタオルの繰り返し使用は微生物学的な観点から適切ではない可能性が示唆された。